プレーンパンプス
昔、巴里のジュルダンで仕事をしていた時。
仏蘭西人の上品な母娘が靴を買いに来た。
毎年のクリスマスプレゼントなのだろう。会話の中で
「去年までは黒の表革、お呼ばれ用に黒のエナメルの
プレーンパンプスを買ったわ。
今年はベルベットやフランネルのお洋服に合わせるために
黒のスウェードをプレゼントするわ。」
つまり起毛の布地にはスウェードなのだ。
なるほど。このような母娘の会話を日本でも聞いてみたい。
そして母が娘に勧めるのは絶対にプレーン。きっと会話の続きは
「紺まではママがプレゼントするけど、茶色後は自分で買うのヨ。」
という感じだろう。
プレーンパンプスは足が一番綺麗に見える。
靴のカットが浅ければ浅いほど、膝から下が長く美しく見える。
ついついデザイン物を持って来ると、色々目が行ってしまって
膝から下が目立たなくなってしまう。
テルースは二十六年前から
プレーンパンプスのカットはミリ単位で拘ってきた。また、プレーンパンプスは
黒、黒エナメル、黒スウェード、マロン、紺、赤、アイボリー、
ジュニエーブル(濃い緑)があると
どんなファッションにも合わせられる。
であるからして、このようなプレーンが無い店は
僕は未だに靴屋と呼ばないことにしている。











コメント